はてさて、「デバッガー」とは何か?
それは、文字通りゲームの「バグを探し出す」職業である。
「ゲームをやってやってやりまくってバグを探すんでしょ?」
その通りでもあり、違う部分もある。
職業の内容は、正確に言うと「バグのある部分を見つけ出して、そこをとことん再現して、そしてバグのレポートを書いて提出する」というものである。
だから、普通の「ゲーム好き」がやれるといったら、そうでもない仕事なのである。
とにかく、FFのレベルアップでもないが、もはや「ゲーム」ではなく「作業」である。
生半可なゲーム好きではやれない職業なのである。
デバッガーにも色々あって、「デバッグのみ」というのと「意見もできる」というのがある。
「デバッグのみ」はその通りデバッグのみであり、バグを見つけ出し、再現し、バグレポートを書いて提出(ちなみにここでいっている「再現」とは、同じバグが何回中何回発生するのかを調べることである。主にセーブポイントからやり直し、バグが発生するところまでやって、バグの確認をとる。これを数十回繰り返す)。演出等には口をはさめない。
「意見も出来る」とは、ゲームの構成や面白さなどについて意見も添えて提出できる、というものである。間接的にだが、ゲーム作りに少しだけ加わる事が出来る。早稲田の一文(今は文学部)に受かるぐらい、つまり高学歴なら、スクウェア(今はスクエニ)からこんなタイプのバイトの話もくるらしい。そういう話を聞いた事がある。私は二文だったのでそんな経験はないが。
私は○ナミなど数社のゲームのデバッガーをしたことがあるが、とにかく辛い。
出来上がったゲームのタイトルを見ただけで吐き気がするほど、それだけ無茶な「作業」をして、出来上がったのである。
さて、それでもデバッガーを目指したい人に、少々苦言を呈しておこう。
まず一つ、
「なまじなゲーム好きはやめておいたほうがいい」。
下手にゲーム好きだと、ゲームを進めたがるだろうが、そんな個人のわがままは通らない世界である。序盤をプレイした後、突然レベルの上がったデータを渡され、「はい、ここの再現50回やって」と、ストーリーもくそもない命令が下される。「ゲームの画面を見ているだけで十分」という人なら大丈夫だろう。
「給料が安い」
ゲームの仕事だから、結構ヤクザな部分がある。「ゲームして金をもらえるんだから」程度に考えられているのだろうが、遠隔地でも交通費が出なかったり、最低賃金に近い賃金で雇われる場合が多い。
「守秘義務がある」
もちろんのこと、発売前のゲームをやって真相部分までわかるので、守秘義務はあたりまえである。友達が多い人間、特にゲーム好きの友達が多い人間はこのバイトを避けたほうがいいだろう。仕事の内容の話は地下鉄やタクシー内部であっても、厳禁とされる。「つい喋った」でも裁判沙汰になるおそれがある。友達に喋ってそれが漏れても、漏らした人間の責任である。
最後に、それでもデバッガーになりたい人にアドバイス。
「ゲームをやって、『つまらない』と思ったら、すぐにやめろ!」
デバッガーというのは、ゲームが面白ければ続くバイトだが、つまらないゲームはどうしてもつまらない。こればっかりはどうしようもない。事前にその会社のゲームをプレイしてみて、「この会社は面白い!」と思えば、デバッガーに応募しよう。何の情報も無く飛び込み状態で応募するのは危険である。つまらないゲームはデバッグもつまらない。
ただ、応募すれば簡単に受かるもんでもない。ゲーム歴を問われたり、いままでどんなアピールできるようなプレイ経験があるかを言わなければならない場合もある。例えば「○○のゲームのハードモードをノーミスクリア」だとかである。なお、ゲームが上手いだけではなく、苦手な分野も訊かれたりする。そう、苦手な部分がある人間も必要とされる場合があるのである。
まあ色々書いたが、一度経験すればわかることである。
私はもう二度とやらないだろうが。
試して見たい方はどうぞ。
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